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★ アトムと私 ★ 〜補助犬法 効いた〜
 
「広がる理解 行動しやすく」

 「すみません。介助犬も一緒なんですけど、いいですか?」
 アトムと一緒に生活をし始めた2000年当時、どの店に入る時も、まずこう切り出さなければならなかった。今では格段に減った。その大きな要因に身体障害者補助犬法がある。
 法施行前は、アトムは実家のある岐阜県や、介助犬の訓練施設のあった京都市から介助犬認定証を発行してもらっていたが、認知度も低く、飲食店の入口で「介助犬って何?」と聞き返されることが多かった。
 電車や地下鉄など、さまざまな施設で試験を受け、許可をもらう必要があった。電車の乗車試験では、物音や、目の前でちらつかせた食べ物に反応しないかなど、犬の本能を刺激するような試験が行われ、それに耐えた。アトムが背負うカバンの中には、公共機関ごとに発行してもらった証明書が何枚も入っていた。
 それが、法律施行後は認定証が1枚のカードに変わった。ただ、施行翌日から物事が変わるわけではない。
 岐阜県内の喫茶店で、店員から「どうぞ」と言ってもらったものの、先客に「犬と一緒では」と断られ、あきらめたこともある。それでも次第に輪は広がった。
 知人が先生をしていた滋賀県野洲市立中主小学校では、担任していた3年生の5人が、総合的な学習の時間で、補助犬をテーマに選んだ。
 先生から介助犬の話を聞いた児童らが、自分の住む街を調査すると、補助犬同伴許可のステッカーが張ってある店より、ない店の方がずっと多いことにきづいた。郵便局、文房具店、薬局、銀行などに呼びかけ、9店舗にステッカーを配ってくれた。
 「最初は(協力を呼びかけるのに)すごくドキドキしました。自分たちの気持ちもしっかり伝えて、張ってもらえました」。後日、こんかわいらしい作文が届いた。
 学生時代によく行っていた喫茶店(京都府京田辺市)のオーナー田宮正康さんは「法律ができたことで、介助犬が一緒に入店することを客に説明しやすくなった」と話す。
 じわじわと介助犬への理解が浸透しているという実感があった。家から出て移動することが怖かった私も、一歩一歩、法律の後押しで行動範囲を広げることができた。(館林千賀子)
【読売新聞/2007年10月24日 くらし面より】

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